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渡嘉敷 「イチゴとヤマモモの島」 [2016. 03. 02]

 慶良間諸島(けらましょとう)をご存じでしょうか。
 那覇市の西方30kmにある国立公園に指定されている島々です。その中で最も大きい島が渡嘉敷島(渡嘉敷村)です。島は周囲25kmと比較的小さい割には山が深く、リュウキュウマツやクバ(ビロウ)等に覆われた緑豊かな島です。そのためどんなに日照りが続いても水が涸れることがなく、昔から沖縄では珍しい稲作も行われていて、この時期はしろかきも始まっています。早苗の準備もできているようで、田植えも間近です。
 海は世界有数の透明度を誇っており、珊瑚礁も発達しています。そのサンゴの種類も250種と他に類を見ない程多く、素晴らしいダイビングポイントがたくさんあります。それをめあてに年間10万人以上の来島者があります。私たちの施設でもスノーケリングでサンゴ観察を楽しむことができます。また、あまり知られていないようですが、慶良間の海は冬場にたくさんのクジラが子育てのために戻ってくる海なのです。見ることができるのは主に大型のクジラ「ザトウクジラ」ですが小説「白鯨」で有名な「マッコウクジラ」を見かけることもあるそうです。島の周りにクジラを目当てのホエールウォッチング船が多くなるのが冬場です。陸上からでもクジラの姿を見ることができる渡嘉敷島です。

 さて、亜熱帯地域に位置する沖縄では、冬場の気温は15〜20度前後と他府県に比べて温暖です。そのため一月末には桜(カンヒザクラ)が咲き始めます。渡嘉敷島でも林道沿いにたくさんのサクラが植樹されており、日本で一番早い花見を楽しむことができます。暖冬で開花の遅れた今年ですが、さすがに三月はじめのこの時期になると、もう葉桜に変わってきています。青空に映える若葉の緑と、少し残ったピンクの花の色鮮やかなコントラストは何ともいえません。

リュウキュウバライチゴの実と花

 サクラから視線を下に向けると白い花がたくさん咲いています。とげのある茎、青い実のついているものも少なくありません。「リュウキュウバライチゴ」です。林道のそこここに群落があります。気の早い実は既に赤く色づき始めていて、食べられるものもあります。昨日、イチゴを探す親子連れを見かけました。もうしばらくすると、食べきれないくらいの実をつけることでしょう。島の土産としてイチゴジャムにもされています。


ホウロクイチゴの花

 少し遅れて朱色がかった「ホウロクイチゴ」も実をつけます。既に透明感のある白い花をつけているものも見かけました。バライチゴに比べて種が大きくて歯ざわりの嫌いな方もいるでしょうね。しかし私はその甘酸っぱさが好きです。気のせいか心もち、渡嘉敷島のホウロクイチゴの実は大きいような気がします。もしかしたら種類が違うのかも・・・。調べてみるとおもしろいかもしれません。
 他にも所内では「ナワシロイチゴ」や「ヘビイチゴ」等も見かけます。


色づき始めたヤマモモの実

 イチゴと同じ時期に実をつけるのが島に自生している「ヤマモモ」です。栽培種に比べて実は小ぶりです。これもあと2〜3週間ほどすると、赤く熟れてきます。所内(本館)にも数本あり、既にたくさんの実をつけています。そのまま食べてもおいしいのですが、島では泡盛につけてワインレッドの「ヤマモモ酒」を作る方も多いようです。島内の至る所に自生しています。職員の話によると昨年は裏年だったのか、あまり実がつかなかったそうですが、今年は豊作間違いなしです。


 四月、五月に実施する「ファミリー自然体験」では、イチゴやヤマモモを採りながら草花や小さな生き物を観察するプログラムも織り込まれています。
 渡嘉敷島は、「冬」「山」も魅力的です。

国立沖縄青少年交流の家  所長 三田井 裕

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